REALWORLD
「奏、鍵持ってる?」
「え、開いてない?」
生徒会室前、何故かいつも開いている生徒会室に…鍵?
「………あー、タイミング悪かったのかも」
突然心くんが意味の分からないことを呟いた。
「どういうこと?」
「会長だよ」
すごく気まずそうに笑った心くんを見て、閃いた。
いつものことである。
私は深く溜息を落とし、生徒会室のドアをノックした。
「会長」
「奏?」
中から会長の声がする。
私は一瞬躊躇ったが、際どい言葉を口にした。
「最中ですか?」
隣で心くんも大きく溜息をついている。
そう。
これも、私が向井先輩を嫌いな理由のひとつだ。