REALWORLD

「奏、鍵持ってる?」


「え、開いてない?」


生徒会室前、何故かいつも開いている生徒会室に…鍵?


「………あー、タイミング悪かったのかも」


突然心くんが意味の分からないことを呟いた。


「どういうこと?」


「会長だよ」


すごく気まずそうに笑った心くんを見て、閃いた。


いつものことである。


私は深く溜息を落とし、生徒会室のドアをノックした。


「会長」


「奏?」


中から会長の声がする。


私は一瞬躊躇ったが、際どい言葉を口にした。


「最中ですか?」


隣で心くんも大きく溜息をついている。


そう。


これも、私が向井先輩を嫌いな理由のひとつだ。
< 12 / 20 >

この作品をシェア

pagetop