赤い糸のその先は…。
3年前

三年前。 私は、お兄ちゃんが経営しているカフェでアルバイトをしていた。


3年前というと、私はまだ可愛い女子高生で、


自分で言うのもなんだけど某名門女子高に通っていた。


名門と言うぐらいだから、当然規律も厳しくてアルバイトも禁止されてて、


だから家の手伝いって事でお兄ちゃんの所で社会勉強をしていた。


そのアルバイトの初日に、


周りのお客様達がザワザワするぐらいのイケメンさんが来店したんだっけ。



「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」


レモン水の入ったグラスとオシボリを置きながら、


練習よりも上手く出来たじゃんって、心の中でピースサインを出していたら、



「いつもの。」...って不愛想に言われた。


「......。」


はい? いつものって? 私は、今あなたと初めてお会いしているんですけど?


今日がアルバイトの初日ですが、何か?


これは、新人イジメですか?


顔はイイかもしれないけど、この人って性格ワルッ!


全然紳士じゃないよねっ。


こういうムカついた時でも笑顔でねと、先輩アルバイトに言われたんだっけ。


何事にも勉強だ。ふんっ。





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