赤い糸のその先は…。

「ゆす葉がお世話になってるそうだね。 小百合から聞いているよ。」


どこからどこまで話してるんだ?


今日の事を聞いたうえで、俺の事を牽制しているのか?


「僕は妹が可愛すぎて、つい甘やかしてしまうから。

気が強いでしょ? あの子。」


確かに気も強いけど、


さっき、彼女から一撃を喰らったばかりとは言えないよなぁ...。


でも、そんなことよりも、


男として恋敵の裕也さんに俺の気持ちを知って欲しかった。


「あの、裕也さんっ。 俺、ゆず葉が好きですっ。

その...好きすぎて彼女を傷つけてしまいました。」


それから、すみませんでしたって頭を下げた。


「いやいや、頭を上げて幸太郎君。

幸太郎君にこんなにも真っ直ぐな気持ちをもってもらって妹は幸せ者だね。」


穏やかに微笑む彼は、ほんとに器の大きい人だと思った。


やっぱり、負けたくないとも思った。



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