赤い糸のその先は…。
くすぐったい時間

お昼になって、近くのレストランに入った。


よし、いっぱい奢らせちゃうぞ。


だって、昨日の償いをさせなきゃだし。


食後のデザートも頼んじゃっていいよね。


「クスッ。 好きなの頼んでいいぞ。 食後のデザートもな。」


あれ? 奢らせる気満々だってこと、顔に出ちゃってました?


「前にも、こうやって『リーフ』で食事をしたことがあったな。」


「あぁ、そういえばそうでしたね。」


「裕也さんにケーキを貰ってめちゃくちゃ嬉しそうだったもんな。 お前。」


「そんな事まで、よく覚えていますね?」


「ずっと、見てたからな。 忘れないよ。」


うぅぅ、正面から見つめられたら、沢山食べられないじゃないっ。


「そんなに、見られると沢山食べられません!」


「ククッ、目を瞑ったら俺が食べられないだろ?」



そりゃあ、そうだけどさ...。


< 87 / 238 >

この作品をシェア

pagetop