お姫様に花束を
俺と王子
リオンside

「おー、ようやく出て行ったかー」


ディラン様が出て行くと、エリック様は満足そうな顔をして腰を下ろした。


「あ、あの……。
エリック様はなぜこちらに……?」


俺がそう聞くと、エリック様はニコニコしながら答えてくれた。


「ふいにカノンのことが気になってさ、昨日コアブル城に行ったのよ。
そしたらリオンがもう帰ったっていうことを知らされてさ。
マジかよーって思って、今日リオンのところに来たんだけどさ……ちょうどディランがリオンの部屋に入っていくとこを目撃して。
だからこっそり入ってずっと二人の会話を聞いてたってわけよ!」


……不法侵入ですよ。


「いやー、でもまさかディランがここまで来るとは思わなかったね」

「……あの、ディラン様ってもしかしてカノンのこと……」


俺がそう聞くとエリック様は小さく頷いた。


「そうだよ。
ま、カノンは気付いてないだろうけど。
カノンは親族を毛嫌いしてるからね。
自分が嫌われてるもんだから」

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