お姫様に花束を
お礼
リオンside


……………………。

……えーっと?


何がどうなってこうなってんの?


カノン様が去っていった翌日のこと。

朝、インターホンが鳴って出てみると、そこには……



「……カノン様?」



……多分……いや、絶対……この人はカノン様だ。


でも、どうしてここに……


俺が一人でパニクっていると、目の前のカノン様はにっこりと微笑んだ。


「昨日のお礼がしたいんです。
助けていただいた、お礼」


お礼って……。


「いや……俺は大したことしてませんし……そんな、お礼なんて……」

「遠慮なさらずに。
……と、言いたいところなんだけど。
実を言うと、まだ何をお礼するか決めていなくて……。
だから、あなたに直接聞きに来たの」


直接聞きに来た……?

何を……


「ね、リオン。
あなた、何か欲しい物とかない?
物じゃなくても何でもいいけど……」

「え………」


欲しい物をねだれと……?

王女様の前で……?

いやいやいやいや、無理無理無理!!

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