お姫様に花束を
デモの理由
カノンside


「ん…………」


……朝……?


カーテンから朝日が差し込み、少し眩しい。


私はまだ閉じようとする目を何とかこじ開け、体を起こそうとした。


……が。


「あれ……」


体が全く動かない。

不思議に思いながら目を擦る。

すると、寝ぼけていた視界が一気に明るくなった。


「っ…………!!」


私の目の前にあるリオンの顔。

そして、背中にしっかり回された腕。


……私はリオンに抱きしめられたまま眠ってしまっていたのだ。


何とかその腕の中から出ようとする。


でも、静かな寝息をたてて寝ている割にリオンの力は強くて……。


なかなか抜け出せない。


どうしよう……。

起こすのも悪いし……。

< 180 / 271 >

この作品をシェア

pagetop