お姫様に花束を
町民の反対
リオンside

その日の夜のことだった。

風呂に入ると言ってカノンが部屋を出ていき、俺は部屋で一人テレビを観ていた。


相も変わらず王室のニュースはやっているが、カノン失踪のことは報道されていない。


どうやら公にはされていないようだ。


ホッとしたのも束の間……俺のケータイの着信音が部屋に鳴り響いた。


ディスプレイを見てみれば、知らない番号からの着信だった。


「……………………」


……出るべきか。

いや……でも、城の関係者からだったら……。


……出ない方がいいのか。


でも……


……俺は意を決して通話ボタンを押した。

そして、ケータイを耳に当てる……。


「……もしもし」


俺がそう言った瞬間、思いも寄らない声が聞こえてきた。
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