お姫様に花束を
思いもよらなかったこと
カノンside

「赤くなってるよ。
……本当に痛くないの?」


私はリオンの背中の見ながら聞く。


ディランが去ってゲンさんも帰った後、私は別荘の中に入って石が当たったリオンの背中を見ていた。


「もう痛くないよ。
……さすがに当たった瞬間は痛かったけど」


そりゃそうだよ……。

あれ、結構大きかったし……。


……私はそっとリオンの背中の赤くなった部分を撫でる。

もしリオンがあの時咄嗟に私を庇ってくれなかったら……

……この町に来ることは危険だと分かっていた。

それでもいいと思ってた。

……だけど、リオンが私の代わりに……


「……カノン?」


……私はリオンの背中に顔を埋めて後ろから抱き着いた。


「……ごめんなさい」


私のせいで……。

リオンまで巻き込んでしまって……。

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