お姫様に花束を
国王様
リオンside

城に来てからというものの、俺は何もすることがなくて困っていた。

何かがあっても全てメイドやウェルスさんがやってくれるし……。

することがない、っていうのはこういうことを言うのだと今改めて思った。


城に来てから迎えた二回目の朝。


朝食を終えた俺は、気分転換にバルコニーに出てみた。


バルコニーから見えるのは広い庭。


たくさんの木々、そして花。


青々とした芝生が広がっている。


あそこで寝転がったら気持ちいいんだろうなぁ……。


そんなことしたら怒られそうだけど。


でも、少しやってみたいなと思った。


「リオン」


後ろから俺を呼ぶ声が聞こえた。

振り返ると、少し疲れた様子のカノンが立っていた。

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