青空バスケ―2nd―

「大和はそんな谷先輩のディフェンスを抜きました。
運動神経抜群で足の速いアキ君を止めました」

「………………」

「それは全部事実だよ。
……あの時どうやって谷先輩を抜いたの?
どんな気持ちでアキ君を止めたの?」


栞奈がじっと俺の目を見つめる。


「……勝ちたかったんでしょ。
それが全てでしょ」


……勝ちたかった。

何としてでも。

前に進みたかった。

……どうしても。


「だったらそんな顔してちゃダメだよ。
……確かに海里君は強いけど、大和は今までいろんな経験をしてきたじゃん。
それが大和の最大の武器なんじゃないの?」


経験……。


……それは多分海里より俺の方が多く持っていて……揺るがない過去の事実。


「……見せてあげなよ。
大和の……今まで全部……集大成を」

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