ぬくもりをもう一度
香澄との約束の時間まで、

あと1時間ほど。


待ち合わせ場所の九段下駅までは、

この会社からゆっくり

歩いたとしても10分もあれば

着いてしまう。


食事する場所も決めていないし、

心を少しでも落ち着かせるために、

俺は駅近くにあるカフェへと

向かうことにした。


会社を出た瞬間、

言いようのないまとわりつく

生ぬるい空気が、

俺の身体にぬめっとまとわりつく。






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