ぬくもりをもう一度
しれっと言ってのける野々原に、

俺の口から深い溜め息がもれる。


「俺は、

 お前と付き合ってなんかいないし、

 付き合おうとも思ってない。

 ―――勝手なこと、すんじゃねーよ!」


怒りを込めた言葉を

乱暴に吐き捨てると、

にっこり微笑んだままの

野々原を置いてその場を去った。





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