ぬくもりをもう一度
一体、野々原は何を

考えているのだろうか。


そもそも、俺が香澄と食事することを

どこで知ったというのだろうか。


「……もしかして、聞いてたのか」


手作りの弁当を広げられた昼休み、

香澄からかかってきた電話に

テラスへと出たあの時、

―――もしかしたら野々原も

一緒にテラスへ出て

電話のやり取りを

聞いていたのかもしれない。


無用心にテラスで

電話に出てしまった俺も、悪いけれど。







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