冷たい雨に咲く紅い花【後篇ーside実織ー】
紅い髪
そして、
その前髪の隙間から覗く、
鋭い眼光。
怖い、というより、
恐ろしい、
そんな男だった。
その紅い男はオレを睨んだ後、
オレの後ろからやってきた黒い車に素早く乗り込んだ。
紅い男は車に乗り込む時、
一瞬、
もと来た道に視線を走らせたように見えた。
オレは、
なにがなんだか分からず、
バイクを片足で支えた状態のまま、
紅い男が乗り去った黒い車を呆然と見送る。
すると、そのすぐ後に、
今度は黒いものが、
路地裏からオレの目の前に飛び出してきた。