冷たい雨に咲く紅い花【後篇ーside実織ー】
「よし、と。とりあえず動いてもいいよ。
ただし、無理はダメだからね」
「あ、ありがとうございます」
手当てされた白い包帯を軽く触りながら、
吉水さんを見上げると、
柔らかく吉水さんは微笑む。
その表情は、
不安を感じさせない。
大丈夫だと、
そう、言っているようだった。
濁っていた世界が、
滲んでいた想いが、
やっと、
はっきりと見えた気がした。
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