冷たい雨に咲く紅い花【後篇ーside実織ー】
ずっと、
白く濁った視界の中で、
雫と紅い血が滲む様をぼんやり見て、
そして泣き叫んで、
何も出来ずにいた私。
その私を、
吉水さんは手当てしてくれて、
ジュン兄は心配して来てくれた。
「ごめん、なさい…ごめんなさい…」
また溢れる涙。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
迷惑ばかりかけて、
心配ばかりかけて、
それなのに思うのは、
紘夜のことばかり。
頭を巡るのは、
紘夜が去る背中。
それだけなの。
「ごめんなさい……」
ごめん、なさい…