冷たい雨に咲く紅い花【後篇ーside実織ー】
亡く、なった?
夕綺さん……が?
「うそ……うそ、でしょ?」
涙と血で濡れたぼろぼろの顔で、
ひきつる様な笑顔をつくりながら、吉水さんの方を見る。
とらえた彼の姿は、
掌にのせた花を私の方に差し出し、
伏せた瞼は微かに震えていた。
花は、
かつて夕綺さんの髪を綺麗に飾り、
真っ白に咲き誇っていたのに、
今は、
所々血の色に染まり、
幾つか、
花びらは
散っていた。