青空バスケ―番外編―

あれから二年。

高校三年生、春。


「なぁ、蓮。
学食行こうぜ」

「いいけど。
またラーメンかよ」

「最近ハマっちゃったんだよな。
つーか、あそこのラーメン美味くない?」

「知らねぇよ」


最近、大和は学食のラーメンにハマってる。

おかげで俺も毎日学食に行くハメに。


大和は相変わらずバスケ馬鹿だ。

そして、岬が大好き。


岬と小学生の頃にしたという約束はまだ守れていない。


でも……今年。

俺達の最後の挑戦が……始まる。


「……予選、もうすぐだな」

「あぁ」


大和は短く返事をすると、突然歩いていた足を止めた。


「大和?」

「……やっぱ、学食やめて体育館行かね?」

「はぁ?」

「なんか、バスケしたくなった」


サラッとそう言う大和の顔を見ながら、俺は思わず笑ってしまう。

本当にコイツは……バカだ。


「俺、腹減ってんだけど」

「バスケしてからでも食えるだろ。
ていうか、運動してから食った方が美味いぞ」

「……マジでやんの?」

「マジ。
久々にやろうぜ、1on1」


そう言って楽しそうに笑う大和。


きっと、今日は昼飯を昼休み中に食べることは無理だろう。

授業中にコソッと食べることになる。


それでも、俺が大和について体育館に行ってしまうのは……


……もしかしたら俺もバスケ馬鹿だからなのかもしれない。


―Fin―
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