KEEPER 世界を守るということ
知るということ

[自分の名前がわかるか?]

頭の中で声がした。
あぁ?馬鹿にしてんのか?
だって、自分の名前がわかんないやつなんて、そうそういないだろ?

俺は紅藤健。
19歳。
大学一年。
頭はそんなに良くないけど、
運動神経はそこらへんの奴らよりいい。
最近は深夜のバイトが忙しくて寝不足が続いてんの。
眠いの、お分かり?
だから話しかけないで、
俺を眠らせて?
安眠妨害しないでよ。

[紅藤…健…。なかなか面白い名前だな]

人の名前を面白いとはなんだ。
失礼なやつだ。
いい加減寝させろよ。
眠いんだよ、こっちは。

[あいにくだが、そろそろ目覚める時間だ]

はぁ?なに言ってんだ、おい。
今から眠る人間に言う言葉か、それ。
俺は寝るとこなんだから…
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