戦慄フォルテシモ






-------------プロの道。

音楽を始めたばかりの俺には考えられないような事



『学生時代っつーのは人生の中で一番濃い時期なんだよ。大人になってどれだけ青春が大事だったか思い知らされる』


『…………』


『だからお前らは今を楽しめ。それがいずれ財産になるからよ』



店長の話を鉄や亮は真剣に聞いていた。多分音楽に対して真剣だからこそ選ぶ道は慎重になる



俺は作詞作曲は出来ないし、音楽の知識もない


でもきっと曲を作る土台は自分が経験してきた事が少なからず影響してる


特に亮みたいな人間は沢山経験を積む事によって、今よりずっと良いメロディが生まれるんだと思う



あいつらはいずれ音楽の世界に行く。心に野心がある奴は強い



--------それなら俺はどうする?
プロを目指すと知った以上中途半端な気持ちで仲間には入れないだろ


その後はいつもの雑談が続き、外は日が暮れ始めていた



『彩ちゃんバイトお疲れ。夜道は危ないから途中まで一緒に帰ろうぜ』


帰り道、何故か鉄と亮も一緒に帰る事になった

俺の前を歩く高瀬と鉄。その後ろには亮の姿




『………おい。なんで俺をドラムに誘った?』


俺の問いかけは亮に向けたもの。高瀬と鉄は何やら楽しそうに話していて俺の声は聞こえてないみたいだ





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