赤い月 肆

「暴れんな。
直接触ンねーから。」


感染もヤバいケドね?
他にも色々ヤバいしね?

だって、着物乱れすぎてて、ポロっとこぼれそーデシタヨ?

そのー…意外と大きい、ソレ。

こんな死にそーなの相手に変な気は起きないケド、やっぱ…ヤバいしね?

こんなうさぎに触ったなんて景時にバレたら、絶対殺される。

てか、生涯、責められるだろう…

なんて、ね。

彼女は死なない、大丈夫。



死なせないから…


(だから…
景時、ムチャすんな…)


胸騒ぎを堪えて、薫はミノムシ状態のうさぎを担ぎ上げた。


「ドコ行きゃイイの?
ナニすりゃイイの?」


「生きた蛇を捜して… 呼ぶ。」


「呼ぶ?」

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