AZZURRI~AZZURRO番外編~
『ブレイクへ
本当は形式ばった挨拶とか必要なんだろうけど
緊急事態だから、用件だけ書かせてもいます。

ここ数日私は夢を見たの。
私の居た世界の人間が私と同じようにこの世界に落ちてくる夢。

しかも一度ではなく何度も見ているの。

そして
その人が落ちていくのが毎回砂漠の中の小さなオアシス。
真っ白な宮殿みたいなのが立っている
小さなオアシスなんだけど
ブレイクは知っている?

もし知っていたらそこに彼女を助けに行って欲しいの。

公務に忙しいのははかっているけど
私じゃ、ずぐにそこに行けないから助けられない。

もしかしたらただの夢かもしれないんだけど…
それでも、どうしても気になったので
あなたにお願いする事にしました。

今度の国交記念祝賀会で私もアレクサ帝国に招待されているから
もし、彼女を保護していたら
その時に私の方で引き取らせてもらうよ。

だから、どうかお願い。

彼女を探してあげて。


ユキノ』





読み終わってすぐに
ブレイクは立ちあがりバルコニーーに出た


ユキノが見たという異世界人の夢…
白い宮殿があるオアシス…

まさか…いや…


雪乃の言葉から場所の見当が付いたブレイクだったが
にわかには信じられない

しかし
アイツがこの世界に来る時に俺の心とシンクロした事がある

同じ異世界人同士あの時と同じようにシンクロしたとしたら
…行ってみる価値はあるかもしれん


「ハビエル。」


「は。」

「少し出てくる。後を頼む。」

「は?
え?!陛下!!」


戸惑うハビエルを横目にブレイクは漆黒の翼を広げ
夕焼けの空に飛び立った
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