野球嫌いなあたしと、先輩。
「……今の……誠二郎が言ったのか?」


あのうるさい猛の声がかすれてた。

驚き過ぎて、声すら出ないようだ。


この状況、俺が一番恥ずかしいんだけど。


「智!聞こえてんのか!?」


微妙な空気をはねのけるように、もう一度智に声をかける。


「は、はい!ありがとうございますっ」


それでも他の部員は固まったまま。


「あー!もう!何止まってんだよ。練習再開するぞっ」


やりきれない思いを消すために大声をあげる。


「……誠二郎が照れてる…?」


「は!?て、照れるわけねーし!」
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