野球嫌いなあたしと、先輩。
言い返そうとした、そのとき。


「誠二郎さーん、夢いましたよ!」


現れたのは、あたしが誰より心を許せる相手。


「ちょっ!ヤバイよ!誠二郎きちゃう」


「い、行くよ!早く!」


それを見て慌てて逃げる女達。


……相変わらず、あたしに安心をくれる笑顔が近付いてくる。


「今夢、キレる寸前だったでしょ?」


「あはは。助かった!ありがとう、智」


智の嘘のお陰でトラブルにならなくて済んだ。

智はいつだってあたしを助けてくれるんだ。
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