野球嫌いなあたしと、先輩。
「まだ新チームになったばっかじゃん。智だけを責めるなよ」


猛は副キャプテンでサードを守ってる。

臆病者でヘタレだけど、優しくていい奴だ。


「じゃあ今のままほっとくのか?俺らにはもう時間がないんだぞ?」


先輩が引退し、俺らは高校生活二回目の秋を迎えようとしてた。

正直来年の夏、甲子園の土を踏むなんて、戯れ言以外の何でもない状況。


「だからって、一輝さんと同じ動きを智に求めるのは早すぎる!」


はーあ、何を言っても無駄か。

この虚しさをどこにぶつければいい?


……俺は決めたんだ。


新キャプテンを任されたあの日、腹をくくって、ある覚悟を決めた。
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