社長の吐息プラチナの甘美な囁き
最後まで、尚貴は私の言葉を訊かず、唇を奪った。


私の初キスを奪ったのも尚貴。



あれは私が5歳のクリスマス前に行われたピアノ発表会の日。


赤い色が美しいポインセチアの小さな植木鉢を渡し、ピアノの腕前を褒めてくれた。


そして、彼はそのまま…私に口づけをした。


最初は上唇を甘噛みし、そのまま強く私の唇に自分の唇を押し付けた。



近くで見ていたお父さんは子供のキスじゃないとカンカンに怒った。






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