ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)

駆け込んだ先は北町奉行所。

いた!

そこにいたのは“遠山の金さん”こと、北町奉行・遠山左衛門尉サマ。

ウソ!

ちょんまげじゃない、いっけん寝グセのような無造作ヘアーの恋しいお方――北条 勝サマだったのデシタ~っ♪♪



竜安寺を後にしたあたしは、今、T映太秦映画村にやってきていたんだ。

そこは実際に映画やテレビの撮影なんかに使われているT映京都撮影所のオープンセットを一般に開放したところで、そこに行くと、まるでタイムマシンに乗ったような気分になれる。


「はい。いきますよ~」


同行していた学校専属カメラマンが、いかにもプロが使うっぽいごっついカメラを両手で構える。

北町奉行所のお白州――つまり現在でいうところの裁判所の法廷では今まさに、北条くんとクラスの数名の男女、それにバスガイドのすぅちゃんがなかよく並んで、時間旅行の記念写真を撮ってもらおうとしているところだった。

< 134 / 205 >

この作品をシェア

pagetop