セックスフレンド
挙式の後、披露宴会場へ移動した。
披露宴までの間、少しだけ時間ができて、あたしは1人で外の空気を吸いにいった。
いい天気。
今日もとても暑い。
セミが遠くで泣いている。
空をぼんやり眺めていたら──
「何、たそがれてるんだよ?」
クスクスと笑いながら、瑞希くんが言った。
「瑞希くん…。いつからそこにいたの?」
「オレ、マナの後ついて来てたんぞ。ストーカーしてたんだよ」
「全然気付いてなかった」
「マナは方向音痴だろ? だからついてきた。
会場が分からなくなって、友人を祝えなかったなんて悲惨だろ?」
「ヒドーイ。言い過ぎだよ」
あたしは、唇を尖らした。