セックスフレンド



挙式の後、披露宴会場へ移動した。

披露宴までの間、少しだけ時間ができて、あたしは1人で外の空気を吸いにいった。


いい天気。
今日もとても暑い。
セミが遠くで泣いている。
空をぼんやり眺めていたら──


「何、たそがれてるんだよ?」

クスクスと笑いながら、瑞希くんが言った。

「瑞希くん…。いつからそこにいたの?」

「オレ、マナの後ついて来てたんぞ。ストーカーしてたんだよ」

「全然気付いてなかった」

「マナは方向音痴だろ? だからついてきた。
会場が分からなくなって、友人を祝えなかったなんて悲惨だろ?」

「ヒドーイ。言い過ぎだよ」

あたしは、唇を尖らした。
< 231 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop