セックスフレンド
こんな会話をした後、先生達は出て行ったらしく、ドアの閉まる音がした。


「瑞希」


母さんがオレの顔を覗き込んだ。


「先生の言っていたこと聞こえた?」

コクンと頷く。

「本当良かったわね……」

母さんはオレから顔を背けた。

泣いているのが分かった。

「お兄ちゃん、痛いの治ったんだね」

「お兄ちゃん退院したら、一緒に動物園行こう」

結月と葉月が口々に言う。


そして、またドアの開く音がした。


「瑞希!」


今度はお父さんの声がした。

オレに駆け寄って来る気配を感じる。

「目を覚ましたんだな。さっき廊下で紺野さんから聞いたよ」


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