セックスフレンド
「瑞希くんがこんなことになって、やっと誰よりも好きって気付いたの。
だから、彼氏とも別れたの」

彼氏と別れた──。

マナがオレを選んでくれた。

そういうことだよな。

「まさか病室でこんな話しするなんて思わなかった。瑞希くんが退院したら話そうと思ってたのに」

マナがクスっと笑う。

「面会時間、過ぎちゃう。また来るから」

分かったと、頷いた。

やっと気持ちが通じ合ったというのに。

話せないことが悔しかった。

キス一つできやしない。


マナがドアを閉め出て行く気配を感じる。

しんと静まり返る病室。


早く怪我(なのか?)を治して、退院したい。

そしたら、改めてマナに告白しよう。


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