セックスフレンド
「あいつはマナのこと、マナって呼ぶんだろ?」

「あいつって、瑞希くんのことですか?」

「おーい。敬語になってる」

「えーっと…瑞希くんのこと?」

「そう。瑞希ってヤツ」

「瑞希くんは、マナって呼ぶよ」

「ふーん」

大野さんは、それ以上何も言わなかった。


映画館に着くと、大野さんがポップコーンと飲み物を買ってくれた。


あたしたちは、隣同士で座る。
車にいる時より、ぐっと距離が近い。
腕と腕が触れてしまいそう。

あたしと大野さんは、上映までの少しの時間、特に何も話さなかった。


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