好きなんてありえない!!


「あの、あの…」

体を揺すられ目を開けると

「あの、もうここ閉めるんですけど」

眼鏡をかけたお兄さんが困った顔でこちらを見ていた。

「閉めるって…え!?
今、何時ですか!?」

「7時ですが…」

「そ、そんな…」

なんでこんな寝ちゃうんだろう
寝坊はするしいつのまにか寝てるし。

「す、すみません。失礼しました」

荷物をまとめ図書館を出る

「…裕太から来てないかな」

携帯を開いて見たら1件のメールが
来ていた

「裕太からだ…!!」

メールを開くと

「悪ィ!風邪引いちまって寝てた。誕生日なのに最悪だよ。月曜日会おう。由美、大好きだよ」

「風邪…」
なんだかほっとした。
良かった、事故なんかじゃなくて…
それに…大好きだよだって…
なんだかニヤけてしまう。

「大丈夫?お大事にね!
月曜日、学校で」

そう送ってから家に向かった。

帰り道、商店街を歩いていると

「おーい!!」

え?声のした方を振り向くと

「裕太だ…」

どうしているの?

「買ってきたぞ」

「わぁーありがとう」

え?誰かといる?

というか風邪じゃなかったの?

「じゃ、行くか。“梓”」

え…………?

あ、ずさ?
聞き間違いだよね…。

「ね……裕太…」

「え、でも」

「大丈夫だって♪ココあんま人いないし♪♪」

梓が裕太の耳元で何かを言う。

……嘘。
今見えた……。
梓だ。でも梓は親戚の家に……。

「!!!」

い、ま…キスした…?
しかもものすごい深いキス……

「ね、もぉちょっとー」

梓が甘えた声でねだる。

「な……」

梓が裕太の耳元でまたなにかを言う。

「…分かったよ」

「ほんとぉ?やったぁ♪じゃぁ早く
裕太の家行こー!!」

二人はじゃれあいながら駅へ向かっていく。




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