矢刺さる先に花開く


(何故あんなことを申してしまったのでしょうか…)

未だに火照っている頬を押さえて、経子はもう一つ大事なことを思い出した。


(かっ、かような刻限に殿方とお会い致すなど…っ!)


更に顔を火照らせた経子は、せめて寝間着姿でなくて良かったと思いながら自室へと向かった。


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