【短編】恋人は未来人


「そこから、飛んでも死なないよ。信じないなら、俺が代わりに飛び込んでやるから見てなよ」


真っ黒に、陽に焼けた青年は、そう言うと乗っていた自転車ごと海に飛び込んだ。


「うそだぁー…えっ…」



真衣は、膝が震え恐るおそる崖から下を見てみると彼が浮いていた。



「どうして? なぜ私の代わりに飛び込んだの? 私の身代わり? 早く病院に連れて行かなくちゃ」


真衣は、崖の下まで急いで降りて見ると、海に浮いていた彼がいない。
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