クリスマス&お正月
「それだけじゃん。もう少しこう…趣味のものの一つや二つ置いててもいいと思うんだけどなー」

性格が淡泊だと身の回りも淡泊になるのだろうか

生活感のあまりなかった海斗のマンションを思い出す

「コンポはあっちに持って行ったしな。本もだいぶ移したから昔より殺風景になったのは認める」

それともなにかフィギアでも置いておけと?

「それは嫌」

即刻返され、「だったら文句を言うな」と思わず返す



今度は一回にある和室に向かう

玄関から見て左側のふすまを開けると畳香りが鼻をくすぐる

その一角にある神棚と仏壇

ゆらゆらとお線香から煙が上がる

海斗の後に続いて手を合わせると目に入るのは、とても優しそうな女性

漆黒の瞳だけをみれば海斗を思わせる

ああ、これは優しい顔をした時の海斗にそっくりだな

そう思ってふふふと一人微笑む

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