恋……シヨ?ー小沢尚人編ー
残ったクッキーをクッキングペーパーに包み直すと、私はまたカバンにしまった。



「はいはい、食べてくれてありがとう。
じゃあねっ」



私は未だに固まってる優ちゃんにそう適当に言うと、家のドアに手をかけようとした。



「…心花!」



「え?
なぁに?優ちゃん」



今更訂正して、私のご機嫌取りなら遅いわよってね。

むしろ本音を言ってくれて、ありがたいと思ってるんだけど。



「次は小沢先輩より、オレが先に食ってやるから!」



「…ぇ……」


「じゃあな!」



それだけ言うと優ちゃんはクルリと踵を返し、うちの隣の優ちゃんの家へと飛び込んで行った。



「……………………」



残された私はビミョーな気持ち。




それって、単に小沢先輩と競ってるって事なのかなぁ。



それとも…?













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