溺愛カンケイ!
「で、でも田中主任は女の人の誘いには必ずのってるし、来る者拒まず去る者追わずって噂があるんだよ。それに田中主任が人見知りの付き合いベタな私なんか好きにならないよ」
口からペラペラと言葉が出る。
そんな事ある訳ない。
「付き合いベタって…花音、まだあの時の事を引きずってんの?」
綾の言葉にドキッとし顔がひきつり、思わず視線を落とし唇を噛む。
「あ、うん…。こればっかりはちょっと…ね。とにかく、田中主任はそんな事ないと思う、絶対っ」
断言できるよ。
手をグーにして力強く握る。
「そうなのかなぁ~。まぁいいけど。それより花音はあのメガネの課長さんと仲良さそうに話してたね」
えっ…課長の話になり心臓がドクンと跳ねる。
「ねぇ、花音。顔が真っ赤だよ」
綾が私の顔を覗き込みニヤニヤ笑う。