溺愛カンケイ!

プルルルル…………

呼び出し音が鳴る。
ヤバイ、心臓がバクバクと音を立てる。


「…はい」

出たっ。
久々に聞いた拓也さんの声…どうしよう、緊張しすぎて吐きそうになる。

何か喋らなきゃ。

「あのっ、花音です。今いいですか?」

声が掠れる。

「あぁ…。花音、久しぶりだな。元気にしてたか?」

うぅ…、拓也さんの優しい声を聞いたら涙が出そう。

「…はい」

「どうしたんだ?何かあったのか」

心配そうな声色に変わる。


「あっ…私、拓也さんと話がしたくて…」

「奇遇だな、俺も花音に話したい事があるんだ」

連絡してくれてよかったよ、と。


「あの、どこかで待ち合わせをしましょうか」

「花音、出歩いても大丈夫なのか?」

「はい、大丈夫ですよ。捻挫もすっかりよくなったし」


あれっ?どうしたんだろう、拓也さん何も喋らない。

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