溺愛カンケイ!

「ごめんね、雅治。楽しくてつい。隣いいわよ。花音チャンもいい?」


クスクス笑いながら隣の椅子を引く。


「ハイ、どうぞ」


ありがと、と部長は花山主任の隣に座る。
ホントに仲がいい理想の夫婦。


「あっ、花音ちゃんだ。隣座るね」


明るい声が聞こえ田中主任が返事をする前に私の隣に座る。

あの資料室からちょっと気まずい。



河野課長と佐藤さんも同じテーブルに座った。


「あれ?花音ちゃんてお弁当なんだね。それ誰が作ってんの?」


田中主任がお弁当箱を指差す。

「あっ、私です…」

みんながお弁当に視線を向け、恥ずかしさが込み上げる。

「へぇ、スゴいね。花音ちゃんて家庭的なんだね」


ニコニコと満面の笑みで私を見る。


「いや、そんな事は…」

家庭的と言われ何だか照れる。

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