サンタの仕事も楽じゃねぇ
あばしり


仕方なくタクローとトナカイは網走へと出向した。




「いやーしかし寒いっすね」
トナカイが鼻を赤くして白い息を吐いた。


「こんなとこになにがあんだっつんだよ」
タクローは網走湾を細い目で見ながら葉巻をくゆらせた。





「てかよ、プレゼントって何があんだ?」





「えーと、『ザ・脱獄計画』『HOW TO 堀り方』『スプーンの役割』『ホールハイド』『壁のふしぎ』とかですかね」

「決まりだな」

「え?」

「26日にちゃちゃっと配るべ」

「ドンに見つかったらやばいっすよ。ちゃんと仕事しましょうよ」

「明日でいい」



タクローのこの一言で網走地区のクリスマスは26日に変わった。
< 13 / 24 >

この作品をシェア

pagetop