君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
「そろそろ、戻ろっか?」



空斗の体調を気遣い、言うと、



「うん。そうだね。」



名残惜しそうに空斗が言い、戻ることになった。



空斗が差し出す手を、あたしはそっと握った。



…はずだった。




空斗の手は、あたしの手をすり抜けて落ちていった。




空斗は倒れたんだ。




あたしの目の前で。




「え…?空、斗?」




「コ…トネ…」




そう言って、空斗の瞳が閉じた。




「空斗ーーーーーっ!!」










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