君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~

リピート

「琴音は、俺の事よく知ってるの?」




「え?あ…うん。まぁね。」




「じゃあさ、俺の事教えて?」




「うん、いいよ。」




それからあたしは病気の事、蓮の事、お母さんの事、空斗の好きなことなど、知っている事全て話した。




ううん。全てじゃない。話さなかった事は2つ。





余命があと3カ月だという事。





そして…





あたし達が付き合っていること。





あえて言わなかった。




ギクシャクした関係になりたく無いから。




前の空斗なら、ならないと思うけど、今の空斗はよく分からないから。




ずっと笑顔で居たいから。




空斗の余命を口にすると、もう笑顔に戻れない気がして――――――――。




「ふーん。色々教えてくれてありがと。」




「うん。全然いいよ、笑」




「ところでさ…」




「ん?」




「琴音と俺って…付き合ってないの?」




ふぇ!?
< 171 / 234 >

この作品をシェア

pagetop