何度でも何度でも…
失礼します

軽く頭を下げるとしるふは病院の敷地外に向かって歩き出す

その背はもう振り返らない

「やっぱり無理でしたね」

去っていくしるふの背を見送りつつ、白鳥はさびしげにつぶやいた

きっと、最初から分かっていたこと

あの時、海斗と呼んだ彼女の声を聴いたときから

あの二人の間に誰かが入る隙間なんて一ミクロンもない

寄り添っていないようでホントは誰よりも強く寄り添っているのだから

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