何度でも何度でも…
「もちろん。海斗君と白鳥さん」

凄いじゃない、天下に名高い黒崎病院と白鳥病院の跡取りがしるふを奪い合ってるって

両手に花ね

にやっと笑った紗雪は、どうもこの状況を面白がっているようだ

「…雪ねーさ、楽しんでるでしょ」

胡乱気に瞳を細めるしるふに、

「当ったり前よ。この三角関係状況、楽しまなくてどうするの?」

あっけらんかと答える

「…妹が困ってるに助けようとか思わない?」

「困ってるの?海斗君に思ったような反応してもらえなくてすねてるだけでしょ」

ねえ?と同意を求めて向かい側の兄に視線を向ける

話題を振られた由斗は、苦笑しながら頷く

「別にすねてなんかないもん。お先真っ暗でどうしようって悩んでるもん」

由斗兄までなにさ

「すねてないって言う時点ですねてんのよ、あんたは」

まったく、いつまでたっても素直じゃないわね

「で、あんたは海斗君と白鳥さん、どっちの手を取るの」

再び話題を戻した姉に、

「知らない。どっちだっていいじゃない」

視線を外しつつ、しるふは大きな口を開けて残りのパスタを放り込んだ
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