何度でも何度でも…
きれいな藍色のフレームの奥の瞳がしるふを見つめる

「知り合いと待ち合わせを…」

といいつつ、病院で待ち合わせって普通しないだろう、と自分で突っ込みを入れる

「そうですか。それは残念だ。食事にでも誘おうと思ったのに」

そうさらっと言える白鳥は嫌味のない感じで、本当にスマートさがにじみ出ている

白鳥の告白に苦笑を漏らし、

「…あの、白鳥さん」

意を決したように名を呼び、そっと背筋を伸ばす

「この間のお話なんですけど…」

「待ってください。突然のことでしるふさんが戸惑っていることはわかります。でも、もう少しお互いのことを知ってから結論していただけませんか」

「…それで結論が変わらなくても、ですか」

変わる可能性が、ないわけではないけれど

「言ったでしょう?きっとあなたを今の彼から奪って見せると」

それは、それくらいの自信があるということか

自信家なところは海斗とそっくりだ

ああ、でも海斗はきっとこんなストレート直球ではこない

気が付いたら落とされていた、そんな感じ
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