シークレット ハニー~101号室の恋事情~


話しながら歩いていると、野田も後ろをついてくる。
18時を回っていたけれど、夏が近づいているからまだ空には夕焼けが残っていた。

そのまま5分歩き続けて通りかかった小さな公園に入ったところで、立ち止まって野田を振り返る。
ここまでくれば、会社の人の目をそこまで気にする必要はないから。

私の2メートルほど後ろにいる野田は、「冷めた女だな」とバカにするように笑った。


「もう、バカで冷めた女でもアホでいかれてる女でも、なんでもいいよ。
だからもう私に関わらないで」
「でも、そういうところが気に入ってたんだよな。高校ん時」
「昔話なんかしてる暇ないんだけど」
「媚びないっていうか、執着しないっていうか。
付き合ってても一定距離保ってくれる女って、今までで葉月だけだったし」
「だから何? 悪いけど、野田と私は本当にもう終わってるから。
そういう人が好きなら、他を探せばいいじゃない」
「だって、そういうの面倒だろ。他のヤツわざわざ探してまた一から始めるとか。
大体、タイプのやつが目の前にいるのに他を探す意味が分からないし」


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