シークレット ハニー~101号室の恋事情~


「メール、送ったつもりが送れてなかったみたいで……すみません」
「もし俺が間に合わなくて何かあったら一生後悔するところだった」
「すみません……。これからは本当に気を付けます」


謝り続ける私に、五十嵐さんはため息をついてからまぁいいよと許す。
それから、困り顔で微笑んで私に近づいた。


「俺は葉月に甘いから、何されても結局は許すんだろうけど、そういう男を優男とか言うらしいね。弱々しい男って意味で。
叔父さんに言われたよ」
「いい意味でも五十嵐さんは優男だと思いますけど。
それに、私だって五十嵐さんに何されても結局許しちゃうから一緒です」
「じゃあ、葉月も俺のした事を許してくれる?」


しまった。
うっかりした発言のせいで、許す以外選択肢がなくなる。

いつもどこか計算して思える五十嵐さんに口を尖らせた後、仕方なく「別に怒ってません」と告げる。



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