シークレット ハニー~101号室の恋事情~
◇手紙に始まり


―――身の程知らず。ブス。庶民。

そんな言葉が並んだ手紙がポストに入っていたのはその三日後だった。
差出人不明の切手も貼られていない封筒に入っていた手紙は一枚だけ。

私を見下す言葉以外に書いてあった言葉はというと。

―――五十嵐篤志に近づくな。

なるほど。五十嵐さんのファンか。
随分熱心だな。

そう思ったけど、感心ばかりしている場合じゃない。
五十嵐さん、家バレてますけど。
しかも、近づくなって忠告されてるって事は、何かしらを見られたって事だ。

私が先週五十嵐さんの部屋に入った事か、今週五十嵐さんが私の部屋に入ったどちらかを。

一瞬、写真でも撮られていたらスクープとして明日のニュースになるんじゃないかとも思ったけど、すぐにバカバカしくなって首を振った。

五十嵐さんは元芸能人ではあるけど、今は一般人だ。
それを深追いして記事になんてしたらプライバシーの侵害で訴訟されてもおかしくない。




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