キュンラブ†誘惑~Because I love you~年の差恋愛

俺は頭をベッドに戻すと、加湿器の蒸気が消えていく天井を見上げた。


「…どんな拷問だよ」

好きな女と一つのベッドで触れ合うほどそばにいるのに、ただ眠るだけとか。


俺は頭の下で腕を組んで目を閉じた。

間違って、澪に手を出してしまわないように。




少し眠ったせいか、頭の中はすっきりしていた。


澪が訪ねて来る前は、俺らしくもなくぐだくだ悩んでいた気がするが、それはきっと体調不良によるものだろう。



今澪の気持ちがどこにあろうと、俺は澪から離れない。


たぶん澪には大人の駆け引きなど通用しない。

通用しない澪が、好きだ。

真正面から俺の気持ちを伝えるしか、澪にはきっとわからないだろう。




「---覚悟しろよ」


次に目が覚めたときには、いやと言うくらい俺の気持ちを教えてやるから---

結論を出したところで、ようやく俺は眠りに落ちた。




目を覚ましたときに訪れる『大嵐』を知らずに…---



















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